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伝 紀 貫之
平安時代 11世紀半ば
彩箋墨書 12.5×11.5
重要文化財




寸松庵色紙(すんしょうあんしきし)の名で呼ばれるこの小さな仮名の歌切れは、平安時代の11世紀後半、我が国独自の文字として生まれた仮名が、書としての表現力を芸術性豊かに展開させた時期の作品です。古今集の撰者で歌人 紀貫之の筆跡といわれてきましたが、その頃のかな作品は残っていません。
もとは 12.5cm四方の小さい冊子に、1頁に和歌1首を書く調度手本でしたが、長い伝来の過程でちりぢりとなり、現在は30数葉を残すのみで、大変に貴重です。張りのある筆線、均整のとれた字体に散らし書きの妙技、唐紙(からかみ)の美しさ、どれをとっても仮名の王者としての力と風格をもっています。

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