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喜多川歌麿(1753-1806)
寛政6〜7年頃(ca. 1794-95)
絹本著色 101.7×31.9




辺りが薄暗くなり始めた頃、室内で外出の身支度をする若い女性。昼間の汗を流した後に纏った黒地に白の絣の薄い着物が涼しげです。華美な身なりが規制されたこの時代、鉄線の蔓草模様が表された豪華な唐織の緑の帯は、かなり気合いの入ったお洒落と言っていいでしょう。ゆったりとした着こなしが夏の風情を感じさせるとともに、女性の色香をも漂わせます。そんなにお洒落をして、彼女は何をしに出かけるのでしょうか。答えは、その足もとに。朝顔が描かれた団扇と小さな虫籠が置かれています。じつはこれ、薄布を貼った蛍籠。うっすらと口を開けるほど夢中になって、懐中鏡を手に化粧の仕上がりの確認をしている彼女の蛍狩りのお相手は…どうやら同性のお友達ではないようです。

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