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岡田 半江(1782-1846)
江戸時代 19世紀
絹本著色 130.5×36.1
重要文化財




岡田半江は、画家である父、米山人に画を学びましたが、構想奇抜な父の画風とは対照的に独特の清澄な画風を身につけて、関西で活躍しました。幾重にも連なる新緑の山々が描かれ、谷間に流れる朝靄の中を塒から起き出したカラスたちが三々五々飛び立っていきます。図上の題賛によると、中国明末の文人画家、董其昌の「暁靄起鴉図」という作品に倣って描かれたもので、「襄陽米夫子 天下山水師 試筆写重巒 千金難易之」の五言絶句も同図から写しています。詩中の米夫子とは中国北宋の文人画家、米芾、米友仁 父子のことで、丁寧な輪郭線を省き、墨の面の効果を活かした山水画を米法山水として完成させました。この様式は日本の多くの文人画家にも影響を与えており、半江も山の陰影を表すのに米点と呼ばれる点描法を効果的に用いて、潤いのある穏やかな画面を創り上げています。

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