遠山記念館トップ> コレクション> インド染織> ペイズリー文様綾綴れ織りショール
インド カシミール地方 19世紀
毛
180×180
インド北部のカシミール地方は冷涼な気候で、毛織物の産地として古くから栄えてきました。これらは、カシミアショールと呼ばれ、ネパール、チベット、インドのヒマラヤ地方で飼育されているカシミア山羊の、うぶ毛のみを使い、この地方に特徴的な二本浮き二本沈みの綾綴れ織りで複雑な文様を織り出しています。初期のものは、中央部が無地で、周辺をペイズリー文様で装飾されたものが主でしたが、後には中央部も複雑な文様で覆い尽くされていきます。ここに上げたショールは、180cm角の正方形で、技法も極めて精緻な綴れ織りですが、部分ごとに分けて織り、それらを後から縫い合わせてひとつに仕上げています。